本当の美味しさを目指す訳

◎ 食べ歩きにもこだわりがある

エピソード写真1

開発室の室長・荒木は、キンリューフーズのおいしさの「源」として、日夜、「味わったことのないおいしさ」を追求しています。彼の味に対する研究心は、社内はもちろん、社外でも続けられています。そのひとつに彼独自の「食べ歩き」があります。

荒木:
食べ歩きも仕事なんです。1週間に2回くらいは料理のジャンルを問わず、何でも食べますよ。それぞれのお店の味つけを研究するためなんですが、そのためには僕独自の注文方法もあるんです。
たとえば、ある料理を注文する際、「この料理は一人前だけを作るのは美味しいけど、多人数分を一度に作ると、火の通りが弱くなり、味が落ちてしまう。だから一人前ずつ注文しよう」とか。どんな料理も一番、美味しく食べたい、と思ってまして、僕も同じ料理人として、味で勝負したい、という気持ちはあります。でも、一緒に食べ歩きをしてくれる人は、内心、迷惑がってるかもしれませんね(笑)。

◎ 「作る」難しさと「売る」難しさ

エピソード写真2

現在、荒木は家庭用ソースをはじめとする新商品の開発と、焼肉店や専門店などのオリジナルプランドの開発を担当しています。新しい商品を手がけるには、自分自身が味の追求に没頭するだけではなく、広く社会の動向に眼を向け、時代のニーズをいち早く把握することも必要とされます。

荒木:
焼肉店や専門店のオリジナルブランドを開発する時は、基本的にお客様からレシピをいただくんです。そこにはお客様が希望する味つけが記されているんですが、時には、僕のアイデアを付加するカタチで提案させていただくこともあります。「こんな味はいかがですか?」って感じで。味づくりは楽しいですが、安定したレシピをつくるのは難しいですよ。少し配合が違うだけで、味が変化してしまうから。だから追求したくなるんですよ。
キンリューフーズは歴史のある会社で、たとえばすき焼きのわりしたは1985年ごろから作ってるんですよ。いわば「味の先取り」ですよ! だからいろんな商品を次々と開発できるんです。しかしそんな社風でも、思わぬ落とし穴にはまってしまうこともあるんです。
2000年ごろ、僕たちは当時まだ一般家庭には普及していなかったキムチ料理に眼をつけ、キムチのたれを開発したんです。でも発売当初から売り上げは芳しくなく、製造した商品の大半を泣く泣く捨てることになってしまいました。その数年後、すぐにキムチ鍋をはじめ、いろんなキムチ料理がブームになり始めたんです。この時期にキムチのたれを発表していたら、きっと違う結果が出ていたはずなんですが…タイミングってむつかしいですよね。でも、タイミングも商品づくりの重要なファクターなんです。
キンリューフーズはこれまで、「食文化」を広い視野でとらえ、幅広いフィールドで商品開発を手がけてきました。それと同時に、消費者や専門店、外食店からのニーズも、年々、より高いレベルになってきています。だからこそ、見た目の新しさや話題だけではない、本当においしい商品を世に出さなくてはならない、と実感しています。

本当の美味しさを目指す訳 キンリューフーズの魅力が凝縮 焼肉のたれ「金龍 中辛」